ある日、一匹の小さなサルは夏がとても暑く、暑さのあまり息もできないほどだと感じました。そこで、家からとても遠い小さな池のそばまで歩いて行き、気持ちよく涼しい水浴びをしようと思いました。すると突然、池のそばにたくさんのサトウキビの苗が生えているのを発見しました。サルはとても興味をもち、「もし自分の家にもサトウキビがあれば、家でサトウキビを食べて涼しくなれるし、わざわざここまで水浴びに来る必要もないのに」と考えました。
そう思ったサルは、これらのサトウキビの苗をすべて丁寧に掘り起こし、自分の家の庭に植えようとしました。しかし、一本掘り起こしたあとで、すべての苗を掘り起こすには時間がかかりすぎて、こうやって掘っていたら何日もかかることに気づきました。
そこでサルは良いアイデアを思いつきました。自分は病気でサトウキビを食べたいので、手伝って掘ってほしいと他の小さな動物たちを呼び寄せ、サトウキビが実ったらいくつか分けてあげると約束したのです。小さな動物たちは一生懸命サルを手伝い始めました。モグラは地中に潜って土をやわらかくし、クマが苗を抜き、ゾウのおばあさんが苗を運ぶことを担当しました。
その間、サルはただ何もせず、動物たちが自分のかわりに苗を掘るのを待っているだけで、時々文句を言いながら口を挟んでいました。
サトウキビの苗をすべて掘り終えると、サルは動物たちに「自分の家の庭に植えてくれ。そうすれば、あとで食べるときに便利だから」と言いました。
動物たちはサルの言う通りに、苗をサルの庭に植えてから帰宅し、サルがサトウキビが実ったと知らせるのを待つことにしました。しかし、長い間、日々が過ぎても、サルを助けた動物たちはサトウキビがまだ熟っていないと思い込んでいました。ところが、さらに一か月が経ち、動物たちはもう待てなくなりました。モグラはクマの家に行き、二人でゾウのおばあさんを探しに行きました。おばあさんは「私は体が不自由だから、そのときあなたたちが私の分も持ってきてくれるかい?」と言いました。そこでモグラとクマはサルのところに行きました。すると、サルの家のサトウキビは20フィート(約6メートル)もの高さに育っており、サルはそこでサトウキビを食べていました。
そのとき、モグラとクマが近づいて「私たちのサトウキビはどこ?」と尋ねました。サルは彼らを見て、不機嫌そうに鎌で一本のサトウキビを切り落とし、「これがお前たちへの分け前だ」と言いました。クマとモグラは非常に怒り、これは不公平だと感じ、サルと議論を始めました。サルはまた鎌で二本切り落としながら、「そんなに文句を言うのは、ただもっと多く欲しいからだろう?」と言いました。モグラとクマは納得がいかず、「私たちはあなたのサトウキビなんかいらない!あなたが病気だから手伝っただけだ!」と反論しました。
クマとモグラは怒って帰っていきました。数日後、激しい暴風雨が襲い、サルの家のサトウキビが庭中に散乱し、出口のドアまでふさがれてしまい、助けを求める機会さえ失ってしまいました。そのときのサルは、サトウキビばかり食べてお腹が大きくなり、もう木に登ることもできなくなっていました。そこでサルは後悔して言いました。「これから二度とこんなことはしない。良いものを分け合わないと、友だちの絆を傷つけるだけでなく、自分自身を苦しめてしまうのだ。」