繁栄し美しい北京の街、雄大で壮麗な天安門広場に、人民英雄記念碑がそびえ立っている。8枚の巨大なレリーフは、中華民族が解放を求めて屈しない闘いの歴史を記録している。目立つ第一のレリーフの前では、人々はいつも足を止め、長く見入ってしまう——それは国内外を震撼させた「虎門でアヘンを破壊する」光景である。近代中国人民の帝国主義反対・外国侵略反対の闘争の歴史は、まさにここから幕を開けたのである。
林則徐（リン・ツェシュウ）——この偉大な闘争の先駆者である。
林則徐（1785年～1850年）、字は元撫、また少穆ともいう。晩年に俟村老人と号した。福建省侯官（現在の福建省福州）出身。貧しい家庭に生まれ、官吏として清廉正直であり、民衆の苦しみに思いを寄せ、人々から称賛された。中国清代の愛国政治家、思想家、詩人。アヘン戦争時代には、アヘンの厳禁と西洋資本主義の侵略に抵抗することを主張し、中国の主権と民族的利益の維持を堅持した。大量のアヘンを没収・焼却し、イギリス侵略者の数度にわたる武力挑発を粉砕し、偉大な愛国主義精神を示した。史学界では、彼を近代中国において「世界を見る目を開いた最初の人」と呼んでいる。
虎門でアヘンを破壊する
古来より、林則徐の名は常に有名な「虎門でアヘンを破壊する」ことと結びついている。
アヘンは俗に大煙（たいえん）とも呼ばれ、阿芙蓉（あふよう）とも言う。ケシの実の中の乳液を乾燥させて作られ、茶色から黒色の固形塊状で、特有のにおいがあり、薬用アヘンは粉末状である。アヘンは強い麻酔剤で、もともと中国では安神鎮痛の薬材として使われ、「洋薬」と呼ばれた。しかしアヘンは多量のモルヒネとニコチンを含み、毒性が強く、一度中毒になると断ち難く、体力が衰え、精力を消耗し、意志が萎え、生命を失うまでになる。イギリスは18世紀からアヘン貿易を始め、1799年に中国へ密輸したアヘンは4,000箱以上（一箱は約50キロまたは100キロ）であったが、1835年には35,445箱まで急増した。1835年には中国のアヘン使用者は200万人以上に達し、アヘンの害が広範囲に及んでいたことがわかる。
アヘンの流入により、一方では中毒者が大量に生み出され、他方では白銀が大量に国外に流出した。アヘンの毒害が蔓延し、中華民族の存亡そのものを深刻に脅かしていた。この時、林則徐は胸中の義憤を抑えきれず、1838年に毅然と清朝の道光帝に上奏し、激しく訴えた。「アヘンはすでに天下を毒し、その害は極めて大きい。もし今なお軽視して放置すれば、数十年後には中原に敵を防ぐ兵もなく、軍資金となる銀もないだろう。」
当時、清廷の官僚はアヘン問題についておおむね二つの派に分かれていた。すなわち、禁煙を主張する厳禁派と、禁煙に反対する弛禁派である。両派の間で揺れ動いていた道光帝は、林則徐の上奏文を見て深く感銘を受けた。12月に林則徐を京師に呼び寄せ協議を行い、半月の間に19回も謁見した。林則徐は自らの禁煙主張と取るつもりの措置を詳しく述べ、道光帝を大きく感動させ、彼を欽差大臣に任命し、広東省でアヘンを摘発・禁止させることにした。
1839年3月10日、林則徐は重大な使命を帯びて広州に到着した。翌日、彼は欽差行在の門に掲示を貼った：地方からのいかなる供給も受けない、悪人が名前を借りて民衆を困らせることを許さない、随行者の行動を厳しく制限し、贈収賄や情実、機密漏洩などの不正行為を断固として根絶する、というものだった。彼は厳粛に宣言した。「アヘンが一日絶えぬ限り、この臣は一日帰らない。この事業と共に最後まで尽くす決意であり、決して中断する道理はない。」同時に、彼は一連の断固とした措置を講じた。両広総督の鄧廷楨（トウ・テイシン）、広東水師提督の関天培（カン・テンバイ）と協議し、水軍の整備と海防の強化を定め、識者の人々を集めて密売人の販売実態を暴露させ、イギリス資本家と勾結した重要な密売人61名を逮捕し、外国人商人に対し3日以内にすべてのアヘンを提出するよう命じた。当時、零丁洋に停泊していた22隻のアヘン積み船は、それぞれ1,000箱以上のアヘンを積み込んでいた。だが外国人商人たちは遅延・否認・賄賂などいつもの手口を使い、わずか1,037箱の提出しか約束しなかった。林則徐はこれを厳しく批判し、アヘン破壊を妨害する密売人の首領・顚地（ディエンディ）を召喚するよう命じた。顚地は恐れて身を隠し、召喚に応じなかった。在華英国商務監督の義律（エリオット）の庇護のもと、顚地は夜通し逃走しようとしたが、途中で怒れる群衆に発見され、捕らえられた。エリオットは怒りと恥辱を感じ、武力を行使すると宣言した。林則徐は少しも恐れず、砲艦に沿岸をパトロールさせ、兵士を派遣して外国人商館を封鎖し、外商とのすべての貿易と供給を断絶した。かつて横暴に振舞っていた外国人商人たちは商館の中にこもり、飲料水や食料さえ入手困難になった。同時に、林則徐はエリオットの住居の扉に警告文を貼り、厳しく警告した。「今後中国では、アヘンを売る者は死に、アヘンを吸う者も死ぬ…内地の人は死んでも、お前たちだけは死んではいけないのか？」外強中乾のエリオットは手段を講じ得ず、頭を下げざるを得ず、イギリス商人にすべてのアヘンを提出するよう通知せざるを得なかった。5月中旬までに、中国が押収したアヘンは合計19,187箱と2,119袋、重量にして230万斤以上、価値は白銀800万両以上にのぼった。アヘン密売人たちが次々と国外追放されると、エリオットも商館内のイギリス人を連れて、惨めな姿で広州を去った。
1839年6月3日は中国人民にとって永遠に忘れられない日である。この日、天気は晴れ、海水は碧く、虎門の浜辺には人山人海であった。林則徐は大小の役人と共に、ここで直接アヘンの破壊を監督した。浜の高い所には、人工的に掘られた一辺15丈（約50メートル）の大池が二つあり、中に塩水が満ちていた。「ゴォン……ゴォン……」という砲声とともに、次々とアヘンが池の中に投げ込まれ、それから石灰を投入すると、たちまち池の水が沸騰し、煙と霧が渦巻いた。大池の閘門が開かれると、すでに溶けたアヘンの滓が波打つ潮に乗って茫漠な大海へ流れていった。このとき、何千、何万という観衆が天地を揺るがすような歓声を上げた。
6月3日から25日まで、虎門でのアヘン破壊は20日余りにわたり続いた。アヘンを押収していた期間、林則徐はこの複雑な過程を一刻も怠らず監督した。昼夜を問わず努力し、細心の注意を払い、一点の隙もなかった。当初、外国人商人たちは「中国人はアヘンを一匁（リャン）たりとも焼却できない」と断言していたが、彼らは驚きながら、林則徐が20日余りで押収した全アヘン、合計237万斤を破壊するのを目撃した。