最も公正な価格

トルコを旅行しているとき、私はすぐにトルコ人が価格をめぐって絶え間なく議論する様子に興味を引かれた。こうした議論では、価格の高低よりも取引が成立するかどうかがはるかに重要であることに、よく気づかされた。

ある日、田舎のバス停で、互いに競合する二つの旅行会社の担当者が私に近づいてきた。旅の費用についてそのうちの一人に尋ねると、彼は答えた。「私のバスに乗るには600リラかかりますよ。」

しかし、その言葉が終わるや否や、もう一人の男がすぐに前に出て言った。「僕についてきなよ!たった500リラでいいんだ。」こうして競争が始まった。二人は互いに価格を下げあって争っているが、私は静かに一歩引いて、その光景を楽しんでいた。

「400リラ。」
「300リラ。」
「200。」
「100。」

最後に、最初の男が空中で勢いよく手を振りながら言った。「よし!よし!無料だ!無料で送ってあげるよ、友よ、僕は金なんかいらない!」

私は彼が切符に適当に何かを書きなぐっているのを、目を丸くして見つめた。

「本当に金はいらないんですか?」と、私はためらって尋ねた。

彼の顔にぎこちない笑みが浮かんだ。「ああ、」と彼は答えた。「僕が勝ったからね。」