寓話の物語

張衡の天秤

張衡が地府にやってきた。閻魔大王は彼が豊かな知恵を持っていることを知り、世の中には多くの官吏が次々と地府にやってきて、彼らが清廉に職務を果たしたか、それとも貪欲で卑しい行いをしたかを調査するのは非常に面倒であると話した。そして張衡に、こうした官吏を区別する簡単な方法があるかどうか尋ねた。

ネズミの肴

あるネズミはとても気楽な暮らしをしていて、美しい風景地へ旅行に行くのが常でした。ある日、彼も金色の砂浜のある海岸へ遊びに行きました。夜になり、ネズミはポケットに一瓶の良い酒をしのばせ、ネズミ用の宿を出て、のんびりと歩いて海辺へやって来ました。ここは実に美しく、夜空には大きな満月が輝き、その光が海面に降り注ぎ、波とともにきらめき、まるで金粉を撒いたようでした。

ネコとネズミ

倉庫に住むネズミたちは、新しく来た三毛猫を味方につけるため、たくさんの魚を用意し、これからもどうぞよろしくお願いしますと頼みました。三毛猫は、その山のような魚を見て、「ネズミも欲しいし、魚も欲しい。だが、両方を得ることはできない。ならば、ネズミを捨てて、魚を取ろう」と言い、魚を食べに片隅へ行ってしまいました。すると、穴の中のネズミたちは「万歳!」と叫び、一斉に穀物倉庫へと押し寄せて行ったのです。

小さなササゲと小さなレンズ豆の秘密

夜、菜園は静けさに包まれていた。「ササゲちゃん、まだ眠くないの。ちょっとおしゃべりしない?」まだ眠らない小さなササゲに、小さなレンズ豆が声をかけた。そこで二人はひそひそ話を始めた。レンズ豆はため息をつき、「うらやましいなあ、あなたみたいにすらっとした体形って。私は太ってて背も低いし…」とこぼした。ササゲは言った。

山羊の忠告

白い猫は昼食を食べた後、庭に横たわってぐうぐうと眠っていた。黒い犬が門の外に見知らぬ人が通るのを見つけると、大声で吠えながら外へと猛ダッシュしたが、その際にうっかり白い猫の尾を踏んでしまった。びっくりして目覚めた白い猫は、指を黒い犬の目先に突きつけて、激怒して叫んだ。「私が寝てるのに、うるさく吠える上に、わざと私の尾を踏んだのか!目が見えないの!」

ダイヤモンドを産む鶏

世の中、変わった面白いものほど人々は好むものだ。ニワトリだってチャンスがあれば鳳凰に生まれ変わるし、雑草さえも霊薬になることがある。この小さなメスの鶏は、卵を産むたびに林の中の鳥や獣たちを呼び集め、自分の産んだ卵がどれほど珍しくて美しいかを自慢していた。朝日が昇る頃、ニワトリの巣から「コケコッコー、コケコッコー」という声が聞こえてきた。

王様とメジロ

昔々、ある王様は鳥を飼うことが大好きで、王宮全体がほとんど鳥の楽園と化していた。カササギ、ハト、ムクドリ、オウム、ウグイス、カッコウ、メジロなど、ありとあらゆる鳥がそこにいた。王様が御前にお出ましになると、鳥たちは一斉に群がり、賛美の歌を高らかに歌い、寵愛を得ようと必死に媚びを売った。そこで王様は、宮殿で毎年一度「最も優れた鳥」を選ぶ評価会を開くという勅令を下した。

葉が根に語る

「どこへ行くのか尋ねないで。私はあなたの一枚の緑の葉、私の根はあなたの土の中にある。これが、葉が根に捧げる思いです。」朝風の中で、緑の葉はこの情のこもった歌を繰り返し歌い続ける。それは、根のお母さんへの告白なのだ。春風が大地をかすめる頃、春雨がしとしとと降り注ぐ。冬の間眠っていた根のお母さんが目覚めると、すぐに金のように貴重な春の水を吸収し、さまざまな栄養素を調合して、一本一本の枝先へと途切れることなく送り届ける。枝にはたちまち芽が膨らみ、やがて黄緑色の葉へとゆっくりと開いていく。

わがままなサル

ある日、一匹の小さなサルは夏がとても暑く、暑さのあまり息もできないほどだと感じました。そこで、家からとても遠い小さな池のそばまで歩いて行き、気持ちよく涼しい水浴びをしようと思いました。すると突然、池のそばにたくさんのサトウキビの苗が生えているのを発見しました。サルはとても興味をもち、「もし自分の家にもサトウキビがあれば、家でサトウキビを食べて涼しくなれるし、わざわざここまで水浴びに来る必要もないのに」と考えました。