金持ちになるのは実はとても簡単だ。

アメリカの富豪J・R・シンプロットは、当初は豚を飼ってやっとのことで生計を立てていた。その後、第二次世界大戦が勃発した際、彼は偶然、前線の作戦部隊が大量の脱水野菜を必要としているという情報を得た。そこで即座に資金を借り入れ、当時アメリカ最大の二つの脱水野菜工場を買収し、前線部隊専用に脱水ジャガイモを供給するようになった。二年後、ニューヨークで化学者が冷凍フライドポテトを開発した。当時は多くの人々がこの製品を馬鹿にして疑念を抱いていたが、シンプロットはこれを極めて潜在力のある新しい軍需品だと判断した。「戦壕で休憩中の兵士たちが、この食べ物を噛みながらくつろげば、きっと気に入るはずだ」と考え、迷わずフライドポテトの大規模生産を決断した。商品が完成して前線の兵士たちに届けられると、非常に好評だった。

さらに重要なのは、この製品が当時のアメリカ市場でも一躍脚光を浴び、シンプロットは莫大な利益を得たことだ。それから間もなく、シンプロットはフライドポテトの製造工程において、一つのジャガイモの約半分しか利用できず、残りの半分は廃棄物として捨てられていることに気づいた。彼は考えた。「この残った部分も活用できないだろうか?」そこでシンプロットは、残ったジャガイモに穀物を混ぜて家畜の飼料とし、単にジャガイモの皮だけで前線の15万頭の軍馬を飼育した。

その後、シンプロットはさらに考え始めた。前線部隊には毎日、膨大な軍需物資輸送任務を担う数百万台もの車両があり、消費されるガソリンの量は決して少ないものではない。もし一部のガソリンを代替エネルギーで補うことができれば、確実に利益につながるだろう。彼は再び好機を捉え、ジャガイモを使ってアルコールベースの燃料添加剤を製造した。同時に、シンプロットはジャガイモ加工中に生じる糖分を豊富に含む廃水を、当時オハイオ州郊外の農地に灌漑し、ジャガイモで育てた軍馬の排泄物を回収してバイオガス発電所の原料とした。こうして第二次世界大戦中、シンプロットのジャガイモ関連製品の生産額は10億ドルを超え、利益は6億ドルに達した。今日に至っても、シンプロットの財産は依然としてアメリカの富豪ランキング上位300位以内に位置している。

最近、第二次世界大戦勝利60周年を記念して、アメリカ政府はシンプロットに純金の「自由勝利勲章」を授与し、彼が第二次世界大戦中に軍需供給で果たした功績を称えた。自身の起業経験を振り返って、この高齢の老人はこう語った。「私は常に二つのシンプルで明確な原則を守ってきた。一つは大局的に考えるということ、もう一つは決して物を無駄にしないということだ。」

金持ちになるのは実はとても簡単だ。大局を考え、細部から着実に行動すればよいだけのことだ。

日本人の倉岡天心が著した『茶の書』には、こんな興味深い話がある。茶人である千利休は、息子の少庵が庭園を掃除するのを見ていた。息子が作業を終えると、茶人は「まだ十分に綺麗ではない」と言って、再度やり直すよう命じた。そこで少庵はさらに一時間かけて庭を掃いた。そして言った。「父さん、もう何もすることがありません。石段は三度洗い、石灯籠も何度も磨きました。木々には水をかけ、苔は鮮やかな緑に輝いています。地面には葉っぱ一本残っていません。」しかし茶人は叱った。「馬鹿者、それが庭掃除の方法ではない。これは潔癖症だ。」そう言いながら、彼は庭に入り、ある木を力強く揺らして、金色と赤色の落ち葉を一面に散らした。茶人は言った。「庭掃除とは清潔さだけでなく、美しさと自然さを求めなければならないのだ。」

楽しい仕事も実はとても簡単だ。物事をもっと美しく、もっと自然にすればよいだけのことだ。

あなたが金持ちになれないのは、もしかするとあなたの視野が広くないからではないか?あるいは、あなたの行動が具体的でないからではないか?

細部が成功か失敗かを決める。一歩一歩を丁寧に、一つ一つの仕事を美しく仕上げれば、最終的に成功しないなどと心配する必要があろうか?

事業の企画や将来のビジョンは、高く遠くに設定し、その方向に向かって着実に進んでいけばよい。

すべての人が金持ちになるわけでもなく、すべての人が成功するわけでもない。理由は、正しい大きな目標がないからではなく、自然や社会と調和した行動計画がないからであり、方向を間違えたり、一歩一歩をしっかり踏み出せなかったりするからなのだ。