李白は酒をこよなく愛し、「酒仙」と自称したが、杜甫の酒への情熱は李白に劣らず、「酒聖」と称された。郭沫若氏の統計によると、現存する杜甫の1400余首の詩のうち、酒に言及しているのは300余首にのぼる。
杜甫は十四五歳の頃にはすでに大酒飲みであった。彼が書いた『壮遊』という詩に、その証拠が十分にある。「昔十四、五にして、翰墨の場に出で遊ぶ……性豪にして業（なりわい）酒を嗜み、悪を嫉みて剛腸を懐く……飲酣として八極を視れば、俗物茫茫たるばかり」。
最初の二行は、十四五歳の頃から文人や官界と交流していたことを意味している。次の二行は、性格が豪快で酒好きであり、かつ正義感が強く、悪を憎む心を持っていることを表している。最後の二行は、酒に酔って四方八方を見渡せば、どこもかしこも凡庸な人々ばかりだということを述べている。これはまさに、杜甫が青少年時代からすでに大酒飲みであったことを十分に示してはいないだろうか？
壮年の時期になると、杜甫は李白や高適と出会い、梁・宋・斉・魯を共に旅し、ともに酒を酌み交わし、詩を作り、狩猟や古跡巡りをしながら、気立てがよく合った。特に杜甫と李白の友情は非常に深く、酒があれば一緒に酔い、同じ布団をかぶり、手をつないで共に歩き、普通の兄弟よりも親しかった。まさに「余も亦東蒙の客、君を兄弟のごとく憐れむ、秋に酔い眠りて共に被（ふすま）を共にし、日ごとに携手して同行す」という有様である。
天宝六年（747年）、杜甫は長安に赴いて科挙を受けたが、権臣李林甫の妨害により落第した。この時、彼は広文館博士の鄭虔という酒仲間と知り合った。鄭虔は多才多芸で、詩・絵画・書道・音楽から星暦・医学・兵法に至るまで、あらゆることに通じていた。当時、彼も杜甫と同じく生活に困窮しており、しばしば友人に金を借りて酒を買っていた。この「酒」という一文字が、二人を親友たらしめたのである。杜甫は『酔時歌』の中で二人の酒宴の様子を回想し、「金を得れば直ちに互いを求め、酒を買い求めることに疑いなし。形骸を忘れて『汝』『爾』と呼び合い、痛飲こそ真に我が師なり」と述べている。また、「此の意惨憺なるを聞くこと勿れ、生前に遇い且つ杯を啣めばよい」とも言った。つまり、どちらかが金を得ればすぐに酒を買って相手と共有し、少しもためらわないこと。お互い礼儀を捨てて親しく付き合い、あなたの酒量こそまさに私の師であるということ。古人の悲しみなど気にせず、生きている限りは酒を楽しもうという意味である。
杜甫の酒を好む習性は、少年から老年に至るまで、死の間際まで変わることはなかった。
記録によれば、杜甫は牛肉と白酒を食べて亡くなった。大暦五年（770年）の夏、杜甫は戦乱を避けて衡州へ向かった。途中、耒陽に着いたとき、ちょうど大雨に見舞われ、船は方田駅に停泊せざるを得なかった。食料がなく、約十日間飢えに苦しんだ。県令の聶某がこの話を聞き、牛肉と白酒を届けた。杜甫は食べ過ぎて、その夜中に亡くなってしまった。郭沫若氏の研究によれば、聶県令が送った牛肉はかなり大量で、杜甫が一度に食べきれなかっただろう。しかも暑い時期だったため、冷蔵保存が難しく、肉が腐敗しやすかった。腐った肉には毒があり、杜甫が食中毒で亡くなったことは十分にあり得ることである。