荊を背負って罪を謝る(けいをせおってつみをあやまる) 戦国時代、趙国には文官と武官の二人の優れた大臣がいた。武官は廉頗(れんぱ)で、勇猛果敢で戦いに長け、何度も軍を率いて斉・魏などの国を破り、その勇名は諸侯の間に知られていた。文官は藺相如(りんそうじょ)で、勇気と智略を兼ね備え、強大な秦王に対しても危機に臨んでも恐れなかった。 続きを読む について 荊を背負って罪を謝る(けいをせおってつみをあやまる)
毛遂自薦(もうすいじけん) 趙国の平原君は、戦国四公子として有名な人物であり、その門下には数千人もの食客がいたと伝えられている。毛遂もその一人であった。紀元前257年、秦の軍隊が趙の都・邯鄲を包囲したため、趙の恵文王は平原君を楚国に派遣し、援軍を要請させた。しかし楚王は簡単には承諾しない相手であったため、平原君は20人の門客を連れて行った。 続きを読む について 毛遂自薦(もうすいじけん)
羊を失い、羊小屋を修復する 戦国時代末期、楚国はすでに盛勢から衰退へと向かっていた。楚襄王が即位してからは、毎日遊びに明け暮れ、政治を顧みず、さらに奸臣の子蘭を令尹に任用した。子蘭が政権を握ると、朝廷の秩序は乱れ、民衆は水深火熱の苦しみの中にあった。 続きを読む について 羊を失い、羊小屋を修復する
髪を切って首を代える 東漢の末期、曹操は中原を統一し、自らの政治的理想を実現するため、兵を募り、馬を買い、草を蓄え、食糧を貯え、あらゆる手段を尽くして人材を引き寄せていた。曹操の配下には、毛玠(もうかい)と荀彧(じゅんいく)という二人の参謀がいた。ある日、彼らは曹操に二つの提案をした。第一に、皇帝の名を使って天下を号令する「天子を挾んで諸侯を制する(挟天子以令諸侯)」戦略。第二に、農耕を重視し、荒地を開墾して耕作し、多くの食糧を蓄えることであった。 続きを読む について 髪を切って首を代える
三顧の礼 東漢の末年、宦官が権力を握り、朝廷の政治は乱れ、各地の英雄たちが次々と兵を挙げた。劉備は漢王朝の皇族にあたる人物で、長年兵を挙げていたため、多くの人々が彼のもとに集まり、彼自身もまた四面八方から人材を求め歩いていた。あるとき、謀士の徐庶が諸葛亮を劉備に推薦した。劉備はこれを聞き、大変喜び、自ら出向いて諸葛亮に会いに行くことを決めた。 続きを読む について 三顧の礼
高山流水 春秋時代、楚の国に俞伯牙(ゆはくが)という人物がいた。彼は音律に精通し、琴の腕前も優れており、当時著名な琴の名手であった。伯牙は若い頃から聡明で学ぶことを好み、かつて高名な師について学び、琴の技術は高い水準に達していたが、それでもなお、あらゆる事物に対する感覚を出神入化の境地で表現しきれていないと感じていた。 続きを読む について 高山流水
管鮑の交わり 春秋時代、斉の国には管仲と鮑叔牙という二人の親友がいた。管仲は家がとても貧しく、母親を養っていた。鮑叔牙はそれを知り、管仲を誘って一緒に商売を始めた。利益が出た後、管仲は多くを受け取り、鮑叔牙は少ない分しか受け取らなかった。人々は口々に「管仲は金に貪欲で、情けがない」と評した。鮑叔牙はこれを聞き、管仲を弁護して言った。 続きを読む について 管鮑の交わり
席を割いて交わりを絶つ(せきをわれてまじわりをたつ) ある時、二人は一緒に畑仕事に行き、菜園の雑草を除いていた。二人は熱心に働き、休む間もなく、すぐに広い範囲の草を除いてしまった。すると、管寧が鍬を振り上げて地面を掘ったところ、何か硬いものに当たった。管寧は不思議に思い、鍬で掘り返した土の塊をよく見ると、黒い土の中で、黄色く光るものがきらめいていた。 続きを読む について 席を割いて交わりを絶つ(せきをわれてまじわりをたつ)
南柯の夢 「隋の末期から唐の初期にかけて、広陵に淳于尊(じゅんうそん)という男が住んでいた。彼の家の庭には、根が深く葉が茂った大きなアカガネバナの木があり、真夏の夜には月が明るく、星がまばらに輝き、木の影が揺れ、夕風が心地よく吹く、涼をとるには絶好の場所だった。淳于尊の誕生日の日、親類や友人たちは皆祝いに集まった。彼は一時の喜びにかまけて、酒を数杯多く飲みすぎた。夜になり、親類友人が皆帰った後、彼は少しだけ酔った気分でアカガネバナの下に一人座り、涼を取っていた。酒に酔ってまぶたが重くなり、気づかないうちに深い眠りに落ちてしまった。 続きを読む について 南柯の夢
千変万化 ある日、周の穆王が崑崙山(こんろんざん)から合山(ごうざん)へ帰る途中、偃師(えんし)という男がおり、その技術は非常に巧妙で、作った動物は鳴き走ることもできると聞いた。穆王は半信半疑になり、すぐに偃師を呼び出して、「お前がさまざまな巧妙な品物を作れると聞いたが、一つ取り出して、見せてみよ」と言った。翌日、偃師は木で彫った人形を連れて穆王に謁見した。穆王が見ると、その人形は五官がそろい、眉やひげまでまるで本物の人間のようで、非常に驚いた。 続きを読む について 千変万化